239:にゃんこ[saga]
2012/03/13(火) 18:34:33.58 ID:j2MHioAf0
そんな重要な事を私なんかが聞いちゃっていいものなんだろうか。
そう思わなくもなかったけど、和に信頼されてるらしいのは単純に嬉しかった。
信じられてるんだったら、出来る限りその信頼には応えたい。
私は小さく息を吸い込んでから、ゆっくり頷いた。
ほっとした表情を一瞬浮かべてから、和が続ける。
「今朝、律にこの世界についての色んな可能性を話したけど、
一つだけ話してなかった可能性があるのよ。
まあ、単にその時には思い付いてなかっただけなんだけどね。
だけど、気付いてしまうと、そうとしか考えられなくなったわ。
勿論、まだ勝手な推測なんだけど、私は思ったの。
この世界は本当に現実に存在する世界なのかって」
「現実に存在する世界……じゃないってのか?
つまり、パラレルワールドや、
人類が滅んだ後の未来世界とかじゃなくて、
インターネットの中の電脳空間みたいな仮想世界……って事か?」
「それだと今朝話した可能性の中にもあったでしょ?
そうじゃなくて、もっと単純な話よ。
ねえ、律、この世界は……、
ひょっとしたら誰かの心の中の世界なんじゃないかしら?」
「心の……中……?」
「夢……って言い変えてもいいかしらね。
私達の中の誰かの夢なのか、
全くの第三者の夢なのか……、それは分からないけれど……」
「夢ってそんな非現実的な……、って今更か。
今の状態が十分に非現実的なんだ。
何が原因だって不思議じゃないよな。今朝も話した事だけどさ」
言い終わってから、私は星空を見上げる。
この世界は……、何処かの誰かの夢の世界なのか?
少なくともパラレルワールドや宇宙人の侵略が原因って考えるよりは、説得力がある。
生き物の存在しない『閉ざされた世界』。
確かにこんな世界、夢や仮想空間以外じゃ自然に成立しそうもない。
そこまでは納得出来る。
でも、そう考えてしまうと異世界を繋ぐ門は……。
私が希望を持っていた考えは……。
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