28:にゃんこ[saga]
2012/01/20(金) 19:40:52.20 ID:RkUbXfly0
大体、一人で部屋に閉じこもるなんて、死亡フラグ以外の何物でもない。
閉じこもる本人は気にならないかもしれないけど、
周りの人間にしてみりゃ、心配で気が気で無くなるよ。
だからこそ、私達は澪を一人きりにさせるわけにはいかなかった。
でも、その澪を説得する事は、私には無理だった。
考えてみれば、私と澪は傍に居過ぎたせいか、
自分の我儘の貫き通し方を分かってしまってる所があるのかもしれない。
お互いを分かり過ぎてしまってるせいで、
私と澪の会話は平行線を辿る事しか出来なかったんだ。
その点、和は澪の説得の仕方をよく知っていた。
唯と憂ちゃんのお姉ちゃん的存在で、
実際にもお姉ちゃんの和には、我儘を言う子との付き合い方が分かってるみたいだった。
和は無理に澪を説得しようとせずに、
玄関の扉越しにたまに澪に穏やかに話し掛けていた。
修学旅行で京都に行った時の話をしたり、
小さい頃の私と澪について訊ねてみていたり、
一見すると説得とは関係無さそうな話をしていたけれど、
それも澪への静かな説得だったのかもしれない。
結局、二時間くらい閉じこもった後、
澪はとても申し訳なさそうな表情を浮かべて玄関を開いて姿を現した。
久々に顔を見せた澪を和は責めようとはせずに、
ただ澪の手を引いて、澪と一緒に私達に頭を下げて謝ってくれた。
「真似出来ないよなあ……」
意識せずに私は呟いてしまっていた。
私もお姉ちゃんではあるけど、とても和みたいには出来そうもない。
それが和の自分が冷静になるための現実逃避の産物だとしても、
私達はそれに助けられていて、そんな和に感謝する事しか出来ない。
和が私達を支えてくれている事。
こんな状況でも、それだけは本気で不幸中の幸いだと思う。
いや、こんな状況じゃになるよりもずっと先に、私はもっと和に感謝するべきだったんだろう。
本当にありがとうな、和。
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