過去ログ - 律「閉ざされた世界」
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291:にゃんこ[saga]
2012/03/27(火) 19:19:22.25 ID:5ewreEgZ0
憂ちゃんが穏やかな笑顔を浮かべたまま、唯に向けて続けた。


「それよりお姉ちゃん、
澪さんと紬さんが部室で待ってるよ。
そろそろ待ち合わせの時間なんじゃない?」


憂ちゃんに言われ、唯が右手に嵌めた腕時計を見る。
生き物が居なくなって以来、私達は普段使わない腕時計を嵌めている。
電気が通ってないから、正確な時間が分かりにくいんだよな。
携帯電話の充電もしてないし……。
と言うか、右利きが右手に腕時計嵌めんなよな……。
別に左手じゃなきゃいけない決まりも無いんだけどさ。


「あーっ、本当だーっ!
急がなきゃ! また澪ちゃんに叱られちゃう……!」


憂ちゃんの手を離して駆け出そうとして、唯が一瞬止まる。
名残惜しそうに憂ちゃんの顔を見つめている。
自分が憂ちゃんに嫌われてないらしい事は分かってくれたみたいだけど、
それでも仲のいい妹と離れるのを躊躇っちゃってるらしい。
親友と妹……、どっちを選ぶべきか迷ってるんだ。

でも、憂ちゃんは普段通り笑って言ったんだ。


「ほらほら、お姉ちゃん。
リュックサックは私が運んでおくから、早く澪さん達の所に行ってあげて。
澪さん達、お姉ちゃんの事、今か今かと待ってると思うよ?」


迷いの無い笑顔。
大好きなお姉ちゃんを独り占めになんかしない微笑み。
その微笑みを見て、唯も決心出来たらしい。
唯はすぐにリュックサックを下ろすと、一瞬だけ憂ちゃんに抱き着いた。
その耳元で囁く。


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