312:にゃんこ[saga]
2012/03/31(土) 17:59:22.43 ID:dC3rBIds0
「純ったら、もー!
勝手に写真撮らないでよー!」
私にツインテールを掴まれた状態で、梓が右手を上げて頬を膨らませる。
解放してやろうかとも思ったけど、
ちょっと嫌な予感がしたから、しばらくはそのままで居る事にした。
純ちゃんがポラロイドカメラから排出された写真を軽く振りながら、ニヤニヤと笑う。
「えっへへー、いいでしょ、このカメラ。
お父さんのなんだけど、この日のために家から持って来たんだ。
私達の新しい門出の日じゃん?
やっぱしっかり写真に収めとかなきゃね!」
「凄いね、純ちゃん!
それってとってもいい考えだよ!」
チューニングが終わったらしい憂ちゃんが、ギターを置いて純ちゃんの隣に駆け寄って言う。
和もやる事が終わったのか、その更に横に陣取って微笑んだ。
「いい考えね、純ちゃん。
私もそれは完全に失念してたわ。
そうよね。折角のほうかごガールズの初ライブだもの。
しっかり写真で残したいわよね……。
思い付いてくれてありがとう、純ちゃん」
まさか元生徒会長の和に褒められるとは思ってなかったんだろう。
純ちゃんはモコモコを軽く揺らしながら、ちょっと顔を赤くして笑った。
「えへへ、どういたしまして。
記念日ですもん。形としても残したいじゃないですか。
あ、そうだ。
これ、そろそろ現像が終わったはずなんですけど……」
言って、純ちゃんはさっき撮った写真を憂ちゃん達と一緒に覗き込む。
私と梓の方からは角度的に見えない。
どんな写真になっているのかは、純ちゃん達の反応から想像するしかなかった。
「あら」
「わあっ」
「いい写真でしょー?」
和と憂ちゃんの感嘆の声が上がり、純ちゃんが鼻高々に腰に手を当てる。
何だよ……、どんな写真が撮れてるってんだ……?
すっげー気になる……!
そもそも被写体は私達じゃんか。
勝手に撮られて、勝手に感心されるのは恥ずかし過ぎる。
657Res/1034.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。