346:にゃんこ[saga]
2012/04/20(金) 18:33:10.57 ID:CZrAexFF0
だけど、やっぱり無理があったのかもしれない。
それから、ムギの笑顔はすぐに消えた。
ムギが悪いわけじゃない。
私だ。
私の選択が悪かったんだ。
私の選んでしまった選択肢が、皆に不安を与えちゃったんだろう。
ムギは不安に満ち溢れた表情で、呟くみたいに言った。
「ねえ、りっちゃん……。
りっちゃんは最近、梓ちゃんと特に仲良しだよね……?」
最初、ムギが何を言い出したのか分からなかった。
私は頭を掻きながら、軽く頷いて応じる。
「そうか……?
んー……、まあ、そうかもな……。
ムギ達を置いて、新しいユニットなんか組んじゃったわけだしな……。
それについてはごめんな、ムギ。
ムギ達に相談無しに勝手な事やっちゃってさ……」
「ううん、それはいいの。
梓ちゃん達、嬉しそうだったし、私もりっちゃんと同じ気持ちだもん。
梓ちゃんの事、大切にしたいもんね……。
でも……、でもね……。
りっちゃん、梓ちゃんと仲良しなのに、今日は一緒じゃなくてよかったの?
一緒に居るのが、私で……、よかったの……?
もし……、もしね……、もしもまた風が吹いたら……」
あっ、と思った。
そこまで言われて、ムギの言おうとしてる事が鈍い私にもやっと分かった。
ムギは……。
そう……、ムギは……、自分でいいのかって、不安になってるんだ。
私の傍に居る資格が自分にあるのかって、不安になっちゃってるんだ。
ああ、ムギの何を分かった気で居たんだ、私は……。
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