過去ログ - 律「閉ざされた世界」
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411:にゃんこ[saga]
2012/05/09(水) 19:45:58.90 ID:OawZK8Yu0
だから、考えなきゃいけない。
私達は考えなきゃいけないんだ。
これからの自分達の生きていく道を……。


「唯とムギはさ……」


不意に澪が呟き始めた。
そうだな。それも考えなきゃいけない事だった。
私達の道は、私と澪だけの意志で決めていい事じゃない。
私、澪、唯、ムギ、梓の五人で決めるべき事なんだ。
私は真剣な表情を澪に向けて、澪の次の言葉を待つ。
数秒経って、澪が静かに口を開いた。


「まだロンドンで三人を捜したいみたいだ。
でも、一応、ムギの方は他の街にも行ってみたいって言ってたよ。
ムギも散々捜して気付いたんだと思う。
ロンドンに和達は来てないんだろうって。
和達は何処か違う街か世界に居るんだろうって。
でも、完全には諦め切れてないみたいでさ……、
もう少しだけ……、もう少し納得出来るまで捜したいらしい。
それはそれで大切な事なんだって私も思うよ……。

だけど、唯は……、唯はさ……」


澪が視線を散漫とさせる。
躊躇いがちに何度も呼吸する。
唯が何か変だって言うんだろうか。
私はそれを察して、澪に訊ねてみる。


「唯の恰好の事か?
あいつ、半日に一回くらい、
憂ちゃんみたいな髪型して、和みたいな眼鏡を掛けてるもんな……。
でも、あれは、きっと……」


あいつの決心だ。
とは言えなかった。
私の言葉が終わるより先に、澪が首を横に振ったからだ。
予想外の澪の行動だった。
私は思わず間抜けな質問をしてしまう。


「違う……のか……?」


「うん、違うよ、律……。
いや、違ってないけど、違うんだ……。
唯のあの恰好を見た時は私も驚いたよ。
過去に……、思い出に逃げ込んでるのかって思った。
でも、それは違ったんだんだよな。
唯は和達を忘れないためにあの恰好をしてるんだ。
それは唯の決心で、私は唯の選択肢を尊重したい。
まっすぐに思い出に目を向けてられる唯は、本当に凄いなって思う。

でもさ……。
ここ三日くらいの唯は変じゃないか……?
特に唯の奴、律と視線を合わせようとしてない気がするんだよ。
律……、唯と何か……、あったのか……?」


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