過去ログ - 律「閉ざされた世界」
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643:にゃんこ[saga]
2012/06/30(土) 17:59:40.49 ID:zmR1v/Ro0
「おい、澪、ひょっとしてこれ……」


「ああ、そうだ。
今から律達も一緒に演奏してくれないか?」


「ええーっ!」


梓が素っ頓狂な声を上げる。
私だって叫びたかったけど、先を越されてしまった。
梓がおろおろした様子で続ける。


「無茶ですよ、そんなの……!
だっていきなり……、こんな難しい曲……!」


「そうだよ、澪。
いくら何でも急過ぎるって……!
今私達が入ったら、正直目も当てられないくらい酷い曲になるぞ?」


梓と私が波状攻撃で澪の説得に掛かる。
私達だって新曲を演奏したいけど、まだそれには早過ぎる。
これから少しでも練習を積んでからの方が……。
それを私達が言葉にするより先に、ムギが微笑みながら言ってくれた。


「いいんだよ、りっちゃん。
酷い曲になっても、私、それでもいいの。
この五人で新曲が演奏出来るって事が嬉しいって思うの。
だから……」


「私もりっちゃんとあずにゃんに新曲に参加してほしいな。
駄目……かな……?」


唯が上目遣いに私と梓に視線を向ける。
私は梓と顔を向け合って、
少しだけ躊躇って……、でも、二人で苦笑した。
そうだな……。
この世界で回り道をしてる時間が無いって思ったのは私じゃないか。
カッコつける必要はもう無い。
酷い曲だって、下手な曲だって、それが今の私達の曲なんだ。
下手だって思うんなら、これから少しずつ上達させていけばいいだけだ。
今は皆で新曲を演奏する方が大切な事なんだ。

私は頭を掻きながら、「しゃーねーな」と言ってから続けた。


「分かったよ。
多分、酷い曲になると思うけど、文句は言うなよ?
私ってこう見えて天才型じゃなくて努力型なんだからな?」


「うん……、分かってるよ、律。
ありがとう……!」


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