過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
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12: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/01/19(木) 04:27:32.43 ID:QjgwlDIYo
拷問、という言葉に身を震わせる。
恐ろしげな言葉が、冷え切った陰鬱な空間と相まって、残酷な実感を湧かせた。

よく見れば、周囲の空間にはいくつもの恐ろしげな器具が並んでいた。
血糊が膠のように張り付いた布をかぶせられた、棺のような物体。
内側にいくつもの刃が取り付けられている、人が一人やっと入れる程度の鳥かご。
びっしりと棘を生やした、拘束具つきの椅子。
万力と鉄仮面が一体となったような、おぞましく、それでいて用途が容易く見て取れる器具。
少し離れた机の上には、鈍く輝くハサミ、焼き鏝、ペンチなどが無造作に置かれていた。

視線が一巡してそれらを認識したあと、再び、淫魔の顔へと戻った。

恐ろしい。
ただただ、何もかもが恐ろしい。
なのに何故、この淫魔はこんなに――『優しい』眼をしているのか。
疑問すら差し挟む間もなく、彼女の心の奥に途方も無い安心感が湧いて出た。
恐怖が解けてなくなり、地下の寒さも少しずつ感じなくなり。
やがて視界が潤み、心臓の鼓動がペースを上げ始めた。
呼吸は浅く短く、溺れかけているかのように調子を崩す。

サキュバスA「…どうしたの?もしかして……興奮しちゃった、かしら?」

ワルキューレ「ふざ、けるな……誰が……」

サキュバスA「それとも怖いの?最初は、そうね。爪をベリベリと引き剥がして、真っ赤に焼けた針を刺していくの。きっと楽しいわ」

あえて身近で、想像しやすそうな例を挙げる。
ワルキューレは靄がかかったような意識の中、リアルな痛みを創造し、生唾を飲んで固まってしまった。
そして、そんな隙を見逃される訳が無い。


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