過去ログ - とある白虹の空間座標(モノクローム)
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43:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2012/01/23(月) 20:55:04.94 ID:f7Hv/QyAO
〜4〜

寮監「御坂」

御坂「(げえっ、寮監!)お、おはようございます……」

寮監「………………」

御坂「(や、ヤバいカンジね……もしかしてBBQパーティーでお酒飲んだのバレた!?)」

そこへ姿を表すは寮監。常盤台中学女子寮が全壊した後、この仮住まいとも言うべき水晶宮を治めている人物である。
常より門限破りの常習犯たる御坂や白井に懲罰を課し、レベル3・4の能力者ひしめき合うこの常盤台中学にあって……
徒手空拳でそれらを易々と制圧する女傑である。だがいつもならば問答無用とばかりに首根っこを締め上げるその手が

寮監「――話がある。このまま同行してもらおうか」

御坂「えっ……」

女生徒「!!?」

御坂の肩に置かれたのである。それだけならば別段どうという事のない所作であったはずだ。
だがその優しくさえある手付きは死刑執行書にサインするかのようにたおやかで……
それまで背鰭を翻えらせて水面を沸き立たせていた小魚らをたちまち凪の海へと押しやってしまった。

寮監「先方がお待ちだ。早くしろ」

御坂「はっ、はい!あっ、婚后さん!!」

婚后「お任せなさい御坂さん。この場はわたくし婚后光子が取り仕切りますわ」

御坂「うん、ありがとう……」

女生徒達「御坂様(さん)!」

婚后「皆さんお静かに!はしたなく囀るは淑女の範に悖りましてよ?」

女生徒達「で、ですが……」

婚后「――1年前ならばいざ知らず、あなた方が戴く長が信じられませんか?」

女生徒達「……はい」

ただならぬ様子の寮監に伴われ離席して行く御坂の背を押すは婚后。
彼女のある種聡い感性が感じ取った予感はこの際的中していた。
食堂の締まり行く扉の彼方に、警備員と思しき女性教諭の姿が見て取れたからだ。それと同時に――

先代派「(ヒソ……ヒソ……)」

婚后「(常盤台も一枚岩ではありませんわ。すくわれる足元は出来うる限り忍ばせるべきかと)」

女王蜂無き後も毒針を研ぎ澄ませ虎視眈々と成り行きを見つめる、かつて食蜂派に属していた女生徒達。

婚后「(不幸という名の蜜にたかる蜂は、貴女が思っている以上に多いのですわよ御坂さん)」

婚后は扇子の下に隠した口元を真一文字に結び、瞑った片目でこの先の雲行きの怪しさを見据えていた。




嵐の前の静けさだと――








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