過去ログ - とある白虹の空間座標(モノクローム)
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◆K.en6VW1nc
[saga]
2012/01/23(月) 20:57:20.46 ID:f7Hv/QyAO
〜5〜
御坂「今……なんて」
手塩「言葉通りだ。白井黒子が、軍艦島で、“心中未遂”を、起こした」
寮監「………………」
御坂「嘘よ!!」
寮監「座れ御坂」
御坂「……!!」
寮監「三度は言わせるな。 座 れ 」
水晶宮の応接室のソファーを蹴り机を叩いて御坂は立ち上がった。
その向かい側には手塩恵未、そして寮監が並んで腰掛けている。
筋金でも入っているかのように折り目正しいその佇まいは、激昂した御坂を圧して余りあるものだった。
手塩「今し方、伝えた通りだ。結標淡希、姫神秋沙、両名が、姿を、消した。現場の、状況と、目撃者の証言を、鑑みて、海に落ちたものと、思われる」
御坂「………………」
手塩「未だ、上がっていない。時刻は本日未明、夜の海だ。潮の流れも、速い」
御坂「……黒子が疑われてるんですか!?あの子がやったって!!黒子は……あの子は今どこにいるの!!?」
手塩「君に、質問を、許可した、覚えはない」
寮監「御坂、全ての質問に虚偽や装飾や主観なく答えるんだ。」
白井の安否は?今どこにいる?怪我は?聞きたい事は山ほどある。
だが御坂が食い下がろうにも氷山のように冷たく硬質な空気がそれを許さない。
水晶宮の硝子張りの密室さえも、今や審問の場となって御坂を苛む。
御坂「――わかりました」
手塩「……再開、しよう。白井黒子は、かつて、結標淡希と、切り結んだ事が、あるな?」
御坂「(どうしてそんな事まで!!?)はい」
手塩「その事が、本件に、結びついたと、思うか?」
御坂「いいえ!」
手塩「そう君が感じる、根拠は?」
御坂「彼女は風紀委員です。その事に誇りを持ってさえいました。これは皆が知る所です」
手塩「単独先行、命令違反、器物破損、夥しい始末書、君の見解と、かなり隔たりが、あるように見受けられるが?」
御坂「(怒るな、怒るな、誘導されちゃダメ……)それは私の知るところではありません」
手塩「先ほどの言葉と、矛盾していないか?」
御坂「!!」
御坂は知らない。手塩がかつて『ブロック』なる暗部組織に属し、結標と火花を散らした事を。
御坂は知っている。手塩がまず上役の出した『結論』へと至る答えを引き出そうとしている事を。
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