87: ◆A5TupjgAQE[saga]
2012/02/23(木) 22:19:45.34 ID:jAHGKByd0
母の顔は、今ではもう朧げで、よく思い出せない。
料理が上手なひとだった。
あの日の夕食はシチューだった。
母の作るシチューは、大きめに切られたじゃがいもがたくさん入っているのが特徴的で。
彼女の料理はいつも凝っていたけれど、そのシチューだけはちょっと素朴で懐かしい味がした。
一番すきなメニューだった。
小さめの鍋に火をかけて、じゃがいもを切る。
シチューを作る時は、いつも必ずあの日のことを思い出す。
鍋を覗きこみ、今日のご飯はシチューかあ、と嬉しそうに笑う姉の顔が記憶の中の母と重なった。
むかしの話。
―――――――
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