過去ログ - ジュぺッタ「あたし、メリー。今あなたの後にいるの」
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29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/01/23(月) 22:41:27.72 ID:iydNXEOb0
そう一言告げると、彼女は念力で身近にあった電話の子機を浮かせ無慈悲に男の頭に叩きつけた。

?「んがっ…」そういうと男は振り返りもせず左に倒れた。気絶したようだ。

何故そうしてしまったのか。彼女は彼が"男"ではない、違うと知っていたのに。理由は簡単である。"男"の家に無断でこの男はいたのだ。

それはまるで泥棒のような…泥棒?

ジュぺッタ(思い出した…!)

ジュぺッタ(あたしは"男"に捨てられたんじゃない。この家に侵入してきた空き巣によってゴミ袋と一緒に捨てられたんだ…!)

ここにきてはっきりした彼女が捨てられた理由。それは"余計な物を持ってきてしまった"ただそれだけであった。

彼女は空き巣に袋に詰められ、ゴミと一緒に焼却されたのだ。

彼女はそう気づくと、ついさっきまで応対をしていたこの男に途端に感謝したくなった。まあその彼を無慈悲に気絶させたのは彼女なのだが。

彼をコタツまでねんりきで移動させ、彼女は"男"を待った。もう死んだ理由は分かったのである。あたしを捨てたのは彼でも"男"でもない。空き巣が悪いのだ。

絶対に"男"を殺すわけにはいかない。"男"は何にも悪くないのだ。

"男"…。完全に顔まで思い出した。イケメンではないけど、あたしをめいっぱい愛してくれた"男"。

ジュぺッタ(完全に好きだったんだな…"男"の事)

男が来るまでに思い出そう。最高に幸せな笑顔で男を迎えれるように。

出会った時の男の笑顔、あたしが笑われたら怒って部屋に閉じこもった男の顔、親に言われてもあたしを捨てなかった真剣な男の顔、撫でてくれた微笑み、あの物語、あの台詞、抱きしめた温もり。

その時、ガラス窓の向こうに…空き巣が見えた。

あたしを捨てた空き巣が。


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