過去ログ - ジュぺッタ「あたし、メリー。今あなたの後にいるの」
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/01/23(月) 00:57:29.78 ID:4mWTuhEn0
講義が終わると友はパーティグッズを買いにホンキ・ドーテに立ち寄った。

もうすぐ男の誕生日である。男は友の数少ない友人の一人だった。

男は口数が少なかった。だが喋る時はよく喋った。よく喋る時は昔TVでさえ禁止されていたという事実が信じられなかった。

そんな男も20歳である。一足先に誕生日を迎えていた友は酒でも買っていこうかと考える。

ポケットに入っている携帯のバイブレーションが電話である事を告げようと小刻みに振動し始めた。

小さく舌打ちをする。お袋だ。

お袋は子煩悩を絵に描いたような母だった。それも、タイヤ会社の経営で全く私を教育しなかった父の影響でもあるだろう。

父が私に始めて人というものを見る視線で見た目、それは他人へ向けられる無関心の権化のような目であった。数日前、20歳の誕生日を迎えた日である。

仕事疲れで浴びるように飲んだ酒で赤らんだ顔は、20歳になったと聞いて驚愕の表情を示していた。私はムシャクシャしていたせいもあり家を飛び出した。あれ以来友人の家に泊まり続け、家には帰っていない。

息子より仕事の方がいいんだな?と吐き捨てて出て来たものの、恥ずかしかった。我ながら父親には期待していなかったつもりなのに。きっと今までの鬱憤が溜まっていたせいもあるだろう。

友はバイブレーションが鳴り終わるのを待つと嘆息し、男への買い物を続行した。


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