329:火(お題:高架下)4/4[saga]
2012/05/10(木) 14:39:28.21 ID:LvS9fQcAO
――タンガタン ガタンガタン
いつのまに眠っていたのか。
額に汗がじっとりと浮かんでいる。胸に手を当てると心臓がドクドクと脈打っていた
なにか恐ろしい夢を見ていたようだ。
「君、大丈夫かい?」
ふいに声をかけられる。
顔を上げると、斜向かいの席に座る年配の男性が心配そうにこちらを窺っていた。
返事をしようした。
その瞬間、キキィッ! とけたたましい音が鳴り響き、ぼくは前のめりに倒れかける。
ややあって、電車が止まった。
車内がざわざわと騒がしくなる。
何があったんですかね、と先ほどの男性が他の客に話しかけていた。
ぼくは座席から体をひねって後ろを振り返る。
同じ窓側の席の乗客たちが、一様に窓の外をのぞき込んでいる
なんだろう。
ぼくは窓の外をみた。
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