過去ログ - 文才ないけど小説かく(実験)
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394:題名「カラー・チェンジ」 4/7 お題「コンディション・グリーン」[sage]
2012/05/20(日) 08:25:55.57 ID:/r/zvaHP0
「文野?」
「きみはね、他の奴らとは違うと思ってた。あの愚鈍でゾンビみたいな無神経の奴らとは」
 周囲では誰も動いている気配がない。まるで彼らの存在が溶けて一つの大きな空気になってしまったかのように――そう言えば、先程も空気
に溶けるという表現があった気がと三城は考える。
「きみなら、私と同じようにこっちの世界に来られるのではと、そう思ったよ」
「文野」
「でも違う」
 文野が身を翻す。
「文野?」
 手を伸ばそうとするが、もう遅い。
「きみも所詮は同じだ」
 文野は二人を囲んでいた群衆を押し退け、扉の方へ向かう。
 
「きみらはそこで死んじまえ!」

 
 ――扉が開いた。
 ――扉の先に、ガスマスクをした男がいる。
 ――ガスマスクの男は、巨大な白い棒を握っている。
 
 ――きゃ、と文野が叫んだ。
 ――それから、肉を穿つ嫌な音がした。
 ――見ると、文野の背中から白い棒の先端が覗いている。
 ――文野が糸の切れた人形みたいに崩れ落ちていく。
 
 ――こちらを向いた時、彼女の唇が、
 ――文野の唇が、何かを呟いた。
 
 ――その言葉を、未だに三城は思い出せない。
 ――ただその後に聞いた第一声は、
 
 ――目的(キティ)を撃破。
 ――次いで、目撃者の記憶操作を行います。

 ――ガスマスクの男の声は聞き覚えがあった。
 
 誰かが、慌てたような感じでこう言った。

「あ、センセイ!」


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