過去ログ - 文才ないけど小説かく(実験)
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489:バカップル(お題:愛すべき馬鹿 ・シーソーゲーム) 2/2
2012/06/08(金) 03:46:50.88 ID:KP45egqk0
就業時間の後半は割りと暇だったので彼女と今までを反芻してた。
ずっとずっと彼女の言葉に僕が返し、それに彼女がまた返す。
彼女の言葉全てを思い出せるなんて事はないけども、彼女からの返事は全てテキストに起こして家のPCにバックアップしてある。
呆れるほどに僕は彼女に夢中だ。彼女にもそうであって欲しいと努力は惜しまない。
何度も繰り返して振り子のように刻んできた二人の時間。
プライドが高くて、なかなか本音を言ってくれない時もあったけど。それでも続く続いてく二人の時間。
作業場からの暗い廊下を歩きながら彼女との時を確信する。
僕らを繋ぎ続けてくれたロッカーの中の携帯に感謝しながら扉を開く。
金属の箱の隅で潤んだ淡い光が点滅を繰り返してる。

「もうやめてくれませんか?」
「人の挙げ足ばかりとって」

普段の彼女が他人からは冷静にしか見られないけども、実はとても感情豊かな事を僕は知ってる。

「それは物の例えです。ネチネチと詭弁ばかり」
「あなたがどこの誰だか知らないですけど、よっぽど暇なんですねニートか社会不適合」

普段の彼女が理路整然と喋るから他人から理性的に見られるけども、実は感情的で起伏の激しい事を僕は知ってる。
普段、彼女が周囲の人間に本音を漏らしたりしないけども、実は吐き出さないといられない脆い事を知ってる。
その捌け口が僕じゃなくなった頃から、ブログを始めていた事も、今は知ってる。
ブログが僕じゃない男との罪悪感を吐き出す場所になったのも、付き合ってた頃に知った。
僕の言葉に決して本気で応えてくれなかった。投げたボールは宙を切り、ボールは返って来ない。
手応えの無いシーソーを全力で揺らしてた馬鹿の頃より、今の僕らはずっと充実してる。
彼女がとっくに降りてしまっていたと気付いた時から始まったシーソーゲーム。
彼女が彼氏に揺れる。
二人の恋に揺れるブログ。
彼女が揺らして僕が揺らして、行ったり来たり。
馬鹿と本音を乗せたまま、今度は中々終わらない。



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