過去ログ - 文才ないけど小説かく(実験)
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830:脱走 4/6 ◆D8MoDpzBRE[sage saga]
2012/07/31(火) 00:57:21.78 ID:U4+w33in0
「郵便物の配達人やらセールスが来ても、応対するな」
 ある日、私はニナにそう申しつけました。私に断ることなく、彼女は郵便物を受け取っていたのです。私は特に近所づきあ
いというものをしていませんでしたが、年端もいかない少女と住んでいるなどと言うことが知れ渡ったら、流石に立場という
ものがありません。犯罪行為さえも疑われるでしょう(事実、自分自身ではなるべく考えないようにしていましたが、立派に
法律に抵触しているのでした)。
 しかし、一度ニナの行動を疑い始めると、あとは崖から滑り落ちるように、何もかもが怪しく思えてきます。疑念が新たなる
疑念を呼んだのです。
 ついに、私はニナに外出そのものを禁じました。買い物に出かけたい、と言い出したのです。
「食料なら十分買い与えている。どうせ料理の一つもしないのだろう」
 そう私が言うと、ニナは口をとがらせて反抗しました。
「洋服だって欲しいし、この家には私が楽しめるような雑誌の一つも置いてない。もともと冬服しか持って来てないから、
春になったら困る」
「だったら外に出なければいい。家の中でなら俺の服を着てたって誰も文句を言わないさ。何なら一日中下着で過ごしたって
いいんだ。暇つぶしをしたいならテレビでも見てろ」
 そのように言ってどやしつけても、ニナはなお不服そうな顔をするのでした。
 ニナは何をされても、ここから出て行くことはないだろう。
 私がそのような油断をするようになったのも、実際にニナがどのような扱いを受けても私の指示に淡々と従っているからで
した。仕事上のストレスを溜め込んだまま彼女と接していると、ついつい声を荒げたり手を挙げたりすることもあったのです
が、彼女は態度でこそ不服そうな素振りを示すことはあっても、決まって最後には折れるのでした。
 自分一人では何も出来ないという事実を、誰よりも痛切に自覚していたのでしょう。
 私とて、いつもニナに対して辛く当たっているばかりではありませんでした。外出を控えさせていた分、ニナが欲しいとリ
クエストするものに関しては極力買い与えていましたし、暇を持て余しているだろうと思って小さなお下がりのパソコンを
一台ゆずったりもしました。流石に女物の下着や洋服を一人で買いに行くだけの度胸はありませんでしたが。
 ニナとのセックスは、いよいよ手放しがたいものになっていました。
 打てば響く鉄製の玩具を弄ぶように、私はニナの様々な反応を楽しみました。ただし、彼女が望まないことを強要したこと
はありません。新たな性体験に関することであれば、彼女の方がむしろ貪欲だったと言えるでしょう。彼女の提案に私の方が
眉をひそめるなどと言うことも幾度かありました。
 ニナは子供だったのです。
 まだ与えられるには早すぎるオモチャを手にしたニナは、奔放な発想を最悪な手段へと変えていきました。
 私に気づかれぬよう部屋の窓を開けたまま、鋭い悲鳴のような喘ぎ声をあげ続けられた時には、まさに心胆を寒からしめら


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