940:みんなでしあわせになりたいな 3/8 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/08/12(日) 16:21:18.41 ID:Fg9PIfkpo
ミズキが念仏のように唱える。その声を聞くと、アズランさまは、自分の頭の灰色の脳細胞がめまぐるしく活
動を開始したような気がしたのを感じたかなと思った。
「なんだ簡単じゃん。こんなの余裕だよ」
アズランさまは三単現の問題をやっつけた!
「じゃあ次のページもお願いします」ミズキが言う。
「はいはい、よゆうよゆう……え?」
次のページはbe動詞で受動態のコーナーである。
「アズランさまー。早く蛍光灯かえてくださーい」
階下から母親の声が虚しく響いた。
アズランさまは、国府津家のお母さんとはなまるマーケットを見ていた。今日はとくダネ!がイマイチだった
からである。
番組も終盤にかかり、おせんべいも一袋消費しかけたところで、お母さんがお茶をいれなおす為に席をたった。
そのとき事件が起きたのである!
「あの子、おべんとう忘れてる」
「ミズキはアホの子だなあ」アズランさまはラストセンベイをバリッた。
「すみませんけど、持って行ってもらえますか?」
めんどうだな、とアズランさまは思った。めんどうそう、とアズランさまが思っていることがお母さんにもわ
かった。
「お昼にマクドナルドのテリヤキバーガー買ってきていいですから」
差し出される五百円玉。つまりバリューセットでということだ。アズランさまはその大切な貢ぎ物に免じて、
ミズキのお弁当を届けてやることにした。
「じゃあ、行ってきまーす」
アズランさまはミズキの通っている中学校までやってきた。アズール教に無関心な人にはアズランさまの姿が
見えることはない。かといってお弁当が浮いて進んでいるようにも見えたりはしない。
だって、そういう人達は魔法も信じていないから。そんな不可思議な現象を捉えることはできないのである。
そんな便利で物足りない世の中を進んでやってきたアズランさまは、お母さんから聞いていたミズキのクラス
に赴いた。
そういえばミズキの友達ってどんなんだろう、とアズランさまは思う。小学生のころはよく遊びにいったり、
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