過去ログ - 文才ないけど小説かく(実験)
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944:みんなでしあわせになりたいな 7/8 ◆pxtUOeh2oI[saga]
2012/08/12(日) 16:23:24.41 ID:Fg9PIfkpo
「もうやめよう。ねえ、死んじゃうよ。死んじゃったら戻すのは大変なんだよ。今のわたしじゃできないぐらい」
「だって止め方がわかないよ」ミズキが泣きじゃくる。「だって明日はどうするの? みんな生きてて、学校が
あって、またいじめられて。みんな消えちゃうしかないじゃん。それともあたしが消えればいいの?」
 アズランさまには答えることができなかった。
 皆の信じ恐れる念において、知能が急激に発達したアズランさまには答えもわかっていた。
「じゃあ、わかったよ」
 アズランさまは、ミズキと自らを校庭の一番目立つ位置に飛ばした。ミズキがあらわれたことで、ミズキのク
ラスメイトは恐れおののいた叫び声を悲鳴を発する。
「控えろ!」
 アズランさまは周りを遠ざけるように円形の雷を落とした。誰も傷つけないように気をつけて。
「我はアズール教の神、アズランである」
 言葉に合わせて、雷を落とす。そうやって人々が怯えれば、それだけの力が得られる。
 ミズキはアズランさまの足下にへたりこんで、ただただ目の前の状況を見つめていた。アズランさまが何かを
やってくれるのだと。
「ミズキ」足下の「ミズキにはみんなを消すことなんてできないからさ。わたしがやっとくね」
「えっ」
「みんな、みんな消しておくよ」
 ミズキがアズランさまにしがみつく。
「じゃあね、ばいばい」

 朝。国府津ミズキは、中学校に向かって歩いていた。おべんとうも持っている。部活のジャージもある。宿題
もやった。学校には友達もいる。だけど何か足りない。そんな気がする。
 朝食は、お母さんと二人で食べた。お父さんはいつも先に仕事に行ってしまうから。
「おはよう」クラスメイトがミズキに挨拶をした。
「はよっ」ミズキは挨拶を返す。「かよちゃん、今日も元気だねえ」
「ミズキに言われたくはない」
 二人で声をだして笑った。
 学校は楽しい。友達もいるし、部活だっておもしろい。家はあんまり楽しくない。なんだか空虚で嘘みたい。
でも、それが普通の中学生かなって。そんな風にミズキは思う。
 そのとき、風が吹いた。いくらか優しい風に包まれた気がする。何かを思い出したような気がする。だけど忘


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