過去ログ - 文才ないけど小説かく(実験)
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983:あなたの声を祈りによって聴く可能性について2/10 ◆ihO9dxzf9I[sage saga]
2012/08/12(日) 23:37:55.83 ID:30xXBl/o0
 6月30日(土)曇り
 川城君って部長に向いてないよね、とサエが言ってきた。まだ一週間だからわからねえよ、とドリブルしながら話半分
に聞いているフリをしていると、もっと自由にプレーさせればいいのに、と川城の方をじぃっと見ながら独り言のように
言っていた。あれはなんのつもりだったんだろう。他にも色々と話したが、よく覚えていない。
 7月1日(日)雨
 今日も部活。1年の動きが良かった。早く新体制で練習試合がしたい。川城は今日もおとなしい。けれど岡崎さんもリ
ュウタ君も口を挟まないし、部員の動きも活発だ。父さんに相談してみたら、仕事が出来るヤツはいるだけで周りを動か
せるもんだ、と言っていた。サエとは時間がズレたため何も話さなかった。雨だから筋トレに勤しむ。
 7月2日(月)晴れ
 イタリア惨敗。スペイン人にあらずばサッカー選手にあらず。
 7月3日(火)雨
 おかしな夢。だだっぴろい部屋に一人でいるとサエがいる。何か言ってくる目が上から下から覗きこんでくる。向こう
が動いてるんじゃなくてこっちが動揺しているんだか。サエは誰かに連れられて行った。誰かを連れていったんだったか。
小さい子供だった覚えがある。ハレーションみたく視界が白くぼやけていく。サエは歩きながらこっちを振り返りまた何
かを言っていた。追いかけると夢から覚め、なぜかパンツが汚れていた。サエは裸だったのか? 白い肌を光に溶かしな
がら小さな天使を連れて歩いていく。そんな裸婦画を見たことがある。女神サエ? バカバカしい。
 学校でサエとはまともに話せなかった。篠原とダベっている声が耳について仕方ない。篠原が、帰りに新田も連れてド
トールに行かない、と誘ってきたが断った。サエと向かい合ってしまったら俺の見た夢も、サエに対する思いも何もかも
バレてしまいそうだし。こうして何もかも終わった後では、自分の頭の中で勝手な思い込みをやっていただけだとわかる
のに、いざ向かい合ってみると思い悩むのが面倒で仕方ない。ヤケクソにシュート100本。
 7月4日(水)晴れ時々曇り
 今週は調子が悪い。何を書いてもグチにしかならない。書いた先からこんなことを書きたいんじゃない、と思って消す、
その繰り返し。自分の考えがよくわからない。自分が他人のようにどうしようもない。ひょっとして自分も思い通りにな
らないのが普通なんじゃないか? 昨日のサエと向かい合っている時の感覚も、思い通りに行かない自分がサエによって
あぶり出されて……でもそれって、他人は所詮自分のために利用するものでしかないって考えにしかならないんじゃ。
 明日から反転攻勢。


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