過去ログ - 女神
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814:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/05(土) 22:59:11.38 ID:wMLLgnF4o
 やはり同姓同名の他人ではなかったのだ。僕は胸を痛めた。彼女にとっては僕なんて過去の思い出に過ぎないのだろう。だから、同じ学校に入学してもそのことを僕に知らせる気にすらならなかったのだ。それは僕にとっては厳しい発見だった。ある意味、女が黙って転校したことより厳しかった。

 あの時は、僕たちは家庭の事情というやつに振り回された悲劇のカップルだと思い込むことが出来た。彼女が黙って転校して行ったのも、僕に話したとしてもどうにもならなかったのだからだと。

 でも、こうして同じ学校に入学したことを、女が僕に話そうという発想がない時点で、僕と女に起こった出来事は僕が思い込んでいるようなロマンティックな悲劇などではなく、単に女が僕のことなんか気にしていなかったということになる。それも、おそらく彼女が転校した時から。いや、もしかしたら僕と付き合っていたときから。


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