過去ログ - 女神
1- 20
816:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/05(土) 23:05:31.64 ID:wMLLgnF4o
 そのうち、どういうわけか僕が幼馴染さんに告白して、幼馴染さんがそれを断ったという噂が生徒会内に流れ始めた。それは噂ではなく事実だったのだけど、僕は本気で幼馴染さんが好きになったわけではない。でもその噂はその部分は抜きで、本気で僕が彼女を好きになり告白して、そして幼馴染さんに振られたということになっていた。僕は噂をやはり副会長から聞かされたのだった。

「幼馴染さんがあんたのことを好きなんじゃなくて、逆だったか」
 副会長は遠慮会釈なく僕に言った。「幼馴染さんって、あんたのことが好きだから最近あんたに接近してるんじゃなくて、振ったことが後ろめたくてあんたにも気を遣って欲しくなくて、今まで以上にあんたと接するようにしてたのね」

「・・・・・・」

「元気だしなよ。そもそも幼馴染さんには兄友君がいるってあたしが教えてあげたのに、あんたはだめもとで告ったんでしょ」

 僕が幼馴染さんに告白した場所には誰もいなかったはずだ。それを知っているのは僕と幼馴染さんだけなのだ。そして、幼馴染さんは僕に告白されそれを断ったことを自慢げに周囲に話すような子ではなかった。いったい誰がこんな話を広めているのだろう。僕は必死に考えたけど、そんなことをする人間のことは思いつかなかった。

 僕はもう副会長に返事をする気すらなくしていた。それから、僕は生徒会では幼馴染さんを避けるようになった。そんな僕に幼馴染さんは戸惑っていたようだけど、周りの役員たちはやっぱりねという視線で僕を見ているようだった。

 やがて僕のプライドは、僕を気遣うような、そして僕をからかうような役員たちの視線に耐えられなくなっていった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/882.22 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice