829:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/06(日) 22:19:59.55 ID:dQHlEwhso
その日から僕は、幼馴染さんと顔をあわせて一緒に仕事をすることに対して気が重く感じていたこともあり、生徒会では最低限の指示をするだけで残った時間はパソコン部に顔を出すようにした。副会長はこれまで僕が生徒会活動に打ち込んでいたことを知っていただけに不思議そうで
はあったけど、結局のところ幼馴染さんに振られて僕がいたたまれないのだろうという解釈に落ち着いたようだった。そしてそれは他の役員たちの共通認識でもあるようだった。
「あんた考えすぎだと思うけどな」
学園祭に向けた作業を分担して開始した生徒会役員と学園祭実行委員たちを尻目に、生徒会室を去って行こうとする僕に副会長は話しかけた。
「幼馴染さんと一緒に居づらいんでしょうけど、告って振られることなんて別に恥かしいことじゃないじゃん。あんた変なところでプライド高すぎだよ」
彼女の言葉は僕の胸に突き刺さった。確かに僕は幼馴染さんのことを本気で好きなったわけではなかった。それでも、彼女に告って彼女に振られたことは事実だったし、そのことが生徒会で噂になり哀れむよう視線で僕がみんなに見られていたこともまた事実だった。そして、真実
はどうあれ、そういう状況に僕のプライドは耐えられなくなっていたのだ。
僕はそのことについて副会長に言い訳することすらできなかった。
「何を考えているのか知らないけど、僕は部活に行かなきゃいけなくなっただけだよ」
僕は彼女に言い訳した。
「あんたの部活ってパソ部でしょ? 部長なんかいてもいなくても同じでしょうが」
副会長は僕の言い訳なんか頭から信じていないようだった。
「新入部員が入部したんだよ。一年生だし唯一の女の子だからあいつらには任せられないんだ」
僕はその新入部員が兄君の妹であることは副部長には話さなかった。僕はそれだけ言い訳すると、副部長の追及を逃れパソ部の部室に向かったのだった。
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