830:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/06(日) 22:23:13.89 ID:dQHlEwhso
僕が部室に入った時、妹さんは部室で一人ぽつんと取り残されていたようだった。彼女は落ち着かなげにあてがわれたPCの前で一人座っていた。
どうやら副部長や部員たちは情けないことに彼女を指導するどころか世間話さえすることができず、とりあえず彼女にPCをあてがってそのまま放置したようだった。もっとも、ちらちらと彼女の方を盗み見している部員はいたようだけど。
本当にどうしようもないやつらだな。僕はそう思ったけど、よく考えるまでもなく兄友君たちのようなリア充よりパソ部の部員の方がより僕と同類なのだった。それでも部長として彼女を一人放置する訳にはいかなかった。そして、今の僕には誰にも言えない秘めた目的もあったのだ、
僕は妹さんに歩み寄り声をかけた。
「妹さん、こんにちは」
妹さんはあてがわれたパソコンを操作するでもなく俯いていたけど、僕のあいさつを聞くと慌てた様子で顔をあげた。僕の方を上目遣いに見上げた妹さんの白く綺麗な顔に、僕は一瞬ドキッとした。
「あ・・・・・・部長。こんにちは」
緊張しているのか、か細い声で妹さんが言った。
「妹さんは今何をしてたのかな」
僕は彼女に話しかけながらデスクトップのディスプレイをちらっと眺めた。画面は真っ黒で起動すらしていないようだった。
こいつら本当に新入部員を放置したのか。僕は少し飽きれた。男の部員だったらあれほど専門知識をひけらかしながら最初の面倒だけは見ていたこいつらも、リアルで美少女である妹さんに話しかけて面倒を見る勇気はなかったようだった。生徒会で振られた男として見られていた僕も、この部では女性関係に関してはこいつらより数段上のようだった。
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