884:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/13(日) 23:39:16.47 ID:DZQ2v8yTo
女と兄君は帰宅途中のスーパーで初めてちゃんと話をしたらしいけど、その際の女の態度はとても積極的だったそうだ。単なる同級生だよと兄君は妹に言い訳したけど、妹の女の子の勘では女が兄君に気があることは明らかだったと言う。そして妹には兄君の方も女のことに興味がある様子に見えた。
兄君のそういう態度に傷付いた妹を見かねて幼馴染さんが兄君に注意したそうだけど、結果的にそれは兄君を意固地にしただけに過ぎなかった。
「今にして思うとお姉ちゃん、あたしのためというより自分の気持を素直にお兄ちゃんにぶつけたんじゃないかなあ」
妹はそう言った。
その後、妹は兄君への依存から立ち直ろうと努力を始め、一方でそんな妹に励まされた幼馴染さんは兄君に告白したのだった。結果として幼馴染さんは兄君に返事を保留されたのだけど、その理由は幼馴染さんを好きである兄友君への遠慮だったそうだ。
「あたしはお兄ちゃん離れしようって決めたから、お姉ちゃんのことが気の毒だったの。でも、ちょっとだけほっとしたかもしれない。お兄ちゃんとお姉ちゃんが恋人同士にならないで今までみたいに三人で一緒に仲良くいられるかもって」
「今はそういう状態なんでしょ? それなら問題ないよね」
妹の暗い表情から目を逸らしながら僕はわざとそう言った。もちろん問題なんてあるに決まっていた。それは女の問題だった。ただ、ここまでの妹の話では兄君が女に好意を持っている、あるいは兄君と女が付き合い出したという証拠はないはずだった。
あのメールのことを除けば。
「お兄ちゃんは女さんが好きなんじゃないかと思うの。そして女さんもお兄ちゃんを」
妹が答えた。
「・・・・・・それはメールのことでそう思ったの?」
「うん」
「そもそもこのメールって、どうして君が見れたの?」
それは多分妹を追いつめるであろう質問だったけど、ここまで来たら聞きづらいところだけを避けて通るわけにはいかなかった。
案の定、妹は真っ赤になって俯いてしまった。
「あの・・・・・・いけないことだとは思ったんだけど、お兄ちゃんがお風呂に入ってる間にお兄ちゃんの携帯を」
妹は小さな声で告白した。それ以上言わせるのはかわいそうだったので、あとは僕が補足してあげることにした。
「お兄ちゃんが気になってお兄ちゃんあてのメールを見ちゃったわけだね。それで女からのメールを2通見つけて自分のアドに転送して送信履歴を消した」
「・・・・・・」
「僕は責めてるわけじゃないよ。もちろん普通ならエチケット違反だけど、君にも辛い事情があったわけだし」
「・・・・・・ありがと」
妹は小さく呟いた。
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