過去ログ - 女神
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977:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/22(火) 23:50:27.88 ID:zPJD6ADzo
 そのせいか、あるいは妹にキスされて興奮していたせいか、翌日目を覚ました時僕は自分の身体に異常を感じた。体が妙に重くそして気だるかった。喉にも痛みを感じる。それでも僕は時間を確認すると慌てて身支度をして登校しようとした。既に遅刻ぎりぎりの時間になっている。

 朝食をパスして自宅から出ようとしたところで、僕は母さんに捕まってしまった。母さんは僕を呼び止めるとリビングに連れて行き体温を測るよう僕に言った。完全に失敗だった。母さんに呼び止める前に登校していれば、今日も妹と会えたはずなのに。

 案の定、僕がしぶしぶと差し出した体温計を見た母さんは今日は休むように僕に言い渡した。さすがにこの体温で登校すると言い張ることもできず、僕はしぶしぶ自分の部屋のベッドに逆戻りさせられたのだった。

 ベッドに横になると目の前がぐるぐると回り始めた。確かにこれでは登校しても何もできないだろう。それでも僕は学校に行きたかった。昨日僕にキスしてくれた妹に会いたいという自分の願いはさておき、妹は今日から作戦が決行されるものと期待し、または覚悟して登校してくるに違い
ない。

 それのにその期待に僕は応えられないのだ。昼休み、あるいは放課後に僕を捜し求めて校内を歩き回る妹の姿が思い浮んだ。きっと彼女は僕の不在に困惑するに違いない。それどころか彼女は、僕がこれから行おうとすることにびびって学校をサボったのだと誤解するかもしれない。

 僕はぐるぐる回る部屋の天井を眺めながら焦燥感に駆られていた。妹に誤解される。またはそこまでいかないまでも、たたでさえ不安定な心理状態にある妹をさらに不安にさせてしまうかもしれない。

 今ならまだ授業が始まる前だった。僕はとりあえず妹にメールすることにした。自分が熱を出したこと、登校しようとして母親に止められたこと、作戦が延期になって申し訳なく思っていること。

 そして最後に、妹の期待を裏切ってしまったけど登校できるようになったら必ずこれはやり遂げるからと記して僕はそのメールを送信した。


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