過去ログ - 男「勇者がいても、世界は何も変わらない」
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◆6ype9/FYBU
[saga]
2012/02/05(日) 00:42:44.03 ID:lcCll2VYo
結局、俺が目を覚ましたのは朝になってからのことだった。
女騎士は「もともと独りでここまで来たんだ。睡眠を取りながらでも警戒ぐらいできるさ」と言っていたが……
男(……いつまでも重荷でいるわけにはいかないな)
女騎士「おい、男。下がってろ」ガシャン
男「え?」
女騎士「ヘルハウンドだ。見たところ四匹だが、やつらはもっと大きな群れで行動することが多い。後ろにも気を払っておけ」
男「わ、分かった」
ヘルハウンドA「グルルルル」
ヘルハウンドB「ヴウウゥゥ」
女騎士「こっちに気づいたみたいだな。来るぞ!」
ヘルハウンドC「ガウッ!!」バッ
ヘルハウンドD「グアッ」バッ
女騎士「ふんっ!」
ガッ ドスッ
二匹のヘルハウンドが左右から同時に飛びつく。
女騎士は、一方を盾で殴りつけ、もう一方の急所を的確に貫いた。
ヘルハウンドB「グルル」
女騎士「はっ!」ダッ
ドスッ
ヘルハウンドB「キャイン……」
男(踏み込んで一突き、返す手で――ランスをぶん回した!?)
ブンッ バキィッ
ヘルハウンドA「」バタン
女騎士「どうやらコイツらだけのようだな」
そう言って、女騎士は昏倒している二匹のヘルハウンドに止めを刺した。
男「すごいな……盾やランスってのは殴るのにも使うのか。俺の筋力では到底できそうにないが」
女騎士「それは誉めているのか? 少なくとも、私はこうやって戦ってきた。だが盾殴り、バッシュは基本的な技能だぞ……こんな大盾でやるものではないが」フキフキ
男「そうなのか。すまんな、詳しくなくて」
女騎士「じきに詳しくなるだろう。さ、行くぞ」
女騎士がランスに付いた血を拭き終わると、俺たちは再び街道を歩き出した。
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