130:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 19:59:37.31 ID:vAi26PND0
その地下施設は、鉄骨に電線が渡してあり、所々にほのかに赤い蛍光灯が取り付けられていた。そのせいで夕焼けのような淡い光景になっている。
ピタリと柔らかく、小さな彼女の体に寄り添われ。ゼマルディはガチガチに緊張してしまっていた。背筋を伸ばして、まるで柱のように彼女の体を支えている。
「な……なぁ」
数分も彼女が喋らないのを見かねたのか、彼は押し殺した声を発した。
「こんな空気がわりーとこ、早く出たほうがいいぜ? 俺はともかく、アンタは」
「リ・カラン」
「はぁ?」
「リ・カラン。名前……」
「ちょっ……お前、俺なんかに軽がるく正名教えていいのかよ!」
素っ頓狂な声を上げるゼマルディをきょとんと見て、カランは首をかしげた。
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