146:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 20:10:38.77 ID:vAi26PND0
彼女の背中に伸びた、姉のものとは比較にならないほどの小さな羽根がくぐもった音を発した。
極薄のワインカップを柔らかく叩き合わせたような音を発しながら、カランは呆然としている妹に、にっこりと笑いかけた。
「昨日いきなり生えてきたの。不思議ね」
「……い……いきなりって……」
「これでヤナンもこそこそしないで済むよ。明日からは、みんなと一緒にお風呂に入ろうか?」
「……どこ行ってきたの?」
「何処にも行ってないよ」
「何処に行ってきたかって聞いてるの!」
それは心底からの、妹のはっきりとした怒鳴り声だった。思わず息を呑み、笑顔の行き場を失って戸惑いの視線を向ける。
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