過去ログ - 少女「ずっと、愛してる」
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176:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/10(金) 20:05:45.50 ID:oNd+Ad/T0
6 鐘が鳴る

 まさに、上へ下への騒ぎだった。
ゼマルディに人気の少ない室の一室に送ってもらい、姫巫女宮に帰り。そして大食堂に足を向けた時。長い木造りの廊下の先でバタバタと慌しく走り回る足音が聞こえた。
廊下の一角に少女達……丁度カランと同じくらいの年の子達が集まって、しきりに覗き込もうとしている。
そろそろと忍び足で近づいて、ローブで顔を僅かに隠しながら爪先立ちになる。そこでカランは、ゼマルディにさえ指摘された顔の汚れをとろうとごしごしと袖で頬を擦った。そして袖にゴッソリと赤茶けた砂が付着したのを見て息をつく。
気を取り直して野次馬連中から一歩下がって廊下の向こうを覗くと、四つの担架が管理官達にそれぞれ支えられながら通り過ぎていくのが見えた。
白いシーツの上には、丸くなって震えている女の子達の姿がある。びしょぬれだ。


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