過去ログ - 少女「ずっと、愛してる」
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185:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/10(金) 20:14:20.31 ID:oNd+Ad/T0
彼が冗談半分で言っていた『ギロチン』のことを思い出し、失禁しそうになる。
逃げなければと思うが、一体何処に逃げるというんだろう。隠れる場所も、逃げられるほど機敏に動く足もない。
それに、彼女の心は一睨みされただけで完全に砕き壊されてしまっていた。
それほどこの十七年間で、彼女の美貌、そして要領の悪さで招いてきた出来事が刻み込んだ心の腐りは大きく広がってしまっていた。
真っ青になって動けないでいるカランを取り囲むように、三人の監査官が立つ。いずれも彼女のことを月に一度は、何らかの因縁をつけて痛めつける女達だ。いつもはカラン一人の問題だったが、こんな大事になったのは初めてのことだ。

今度こそ、拷問されて殺されてしまうかもしれない。

カランの心の中に湧き上がった疑心暗鬼は、ゼマルディに触れ合ったことで暴発してしまっていた。今まで我慢して、押し殺していた感情が瞬間的に噴き出してしまったとでもいった方がいいだろうか。
あろうことか、カランはただ話を聞こうとして引き起こすために肩を掴んできた監査官のことを、その細い手で力の限り突き飛ばしてしまっていた。

――それは、カランが産まれて初めて行った意思表示……自衛の行動だった。


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