272:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/12(日) 20:07:55.46 ID:z5UY+Nzb0
「龍の男にとっちゃ、同情は最大の侮辱なんだ。お前は俺のことを好きになってくれるんなら、こんな何でもねー傷くらい笑い飛ばせるような強い女にならなきゃいけねぇぞ」
「何でもなくないよ……」
「どこがだ? 目は見えるし、耳も聞こえる。手だって一本取られただけだ。何の差しさわりもねぇっての」
無理矢理強がっているということは、彼の発する匂いに揺らぎがあることですぐ分かった。だがそれ以上追求することが出来ず、かといって気持ちを切り替えることも出来ずに俯く。
ゼマルディは少し強く言い過ぎたと思ったのか、マスクの位置を直して、とりあえず傍らに投げてあった自分のズボンを左手だけでもぞもぞと穿き始めた。
慌ててカランが手伝おうと手を出し、しかし彼はやんわりとそれをのけた。
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