444:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/17(金) 17:32:51.81 ID:JYEl3aKe0
関係ないと思っていたので、よく聞いてはいなかった。事実関係はなかった。もし自警団にお抱えの魔法使いがいたとしても、どう考えてもルケンにかなうわけがないと思っていた。信用できるのは自分の力だけだ。その自分の力がかなわないなら、逃げるしかない。
そう、考えていた。
揺れる視界の奥に、スナイパーライフルのような、細身の狙撃銃を連想とさせるものを担いだ多数の兵士が見てとれた。フォルムは狙撃銃だが、違う。後部が大きくせり出していて、二人がかりで支えている。視界が回転しているために正確な数は分からないが、少なくとも道の前後で五十近いそれに狙われていた。
「救出急いで! 一般人をエリアの外!」
先ほどから響いている女性の声は、共有語だった。龍族の言葉ではない。前方の奥。兵士達の中ほどに、拡声器を持って、停車しているジープの荷台に仁王立ちになっている女性の姿があった。
白く、引きずるほど長いローブを着ている、頭にはローブからそのままのフード。しかしその隙間から、燃えるような赤い髪がウェーブがかって綺麗に伸びている。
ローブごしでも美しさが分かる、凄まじい美女だった。年の頃は二十段前半。赤い髪が顔の右側を大きく隠している。
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