過去ログ - 少女「ずっと、愛してる」
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532:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/19(日) 16:26:37.52 ID:PLPcklEN0
壁に、無数の人間が磔にされている。

両手両足は存在していない。

目玉や舌は抉り取られたようで、耳もない。
以下略



533:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/19(日) 16:27:13.51 ID:PLPcklEN0
全員女性だと思われる。

子宮があったと思われる場所が切り開かれ、中に半透明の袋のようなものが差し込まれている。

その中には、へその緒が浮いていて、人間の胎児が浮いていた。
以下略



534:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/19(日) 16:27:47.05 ID:PLPcklEN0
室温は一定に保たれているようで、温かい。

ガゼルは、とりあえず進入した痕跡を消そうと無理やり思考を切り替え、後部からピノ粒子を四散させた。

それが、壁に開けた穴を塞いで、元通りに戻す。
以下略



535:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/19(日) 16:28:14.60 ID:PLPcklEN0
ガゼルはそれに、ヒステリックめいた、素っ頓狂な声を返した。

あまりに引きつったため、声にノイズが混じる。

『どうイウこと? 人間牧場? 人間ガこんなコトをするってイウの?』
以下略



536:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/19(日) 16:28:45.00 ID:PLPcklEN0
『魔法使いが……魔法使いガこんなことを?』

『誰かは分からないけど。人間の発想じゃないわね』

虹はクックと笑ってから、壁にもたれかかった。
以下略



537:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/19(日) 16:29:21.78 ID:PLPcklEN0
しばらく沈黙してから、ガゼルはカメラアイを虹に向けた。

『……ごめん、取り乱した』

『あなたに取り乱されちゃ、たまったもんじゃないわよ。そういうことはこれっきりにして』
以下略



538:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/19(日) 16:29:58.79 ID:PLPcklEN0
『…………』

追従しながら、ガゼルは言葉に詰まった。

虹の人格はよく把握していたはずだが、ここまで割り切っていた子だとは、思ってもいなかった。
以下略



539:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/19(日) 16:30:33.57 ID:PLPcklEN0
虹がボタンを操作すると、ガコン、と音がしてエレベーターが動き出した。

しばらく降り進む。

何段かの層になっているらしく、パイプ状のエレベーター通路の外は見えなくなっていた。
以下略



540:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/19(日) 16:31:06.24 ID:PLPcklEN0
『階下に生体反応。どうする?』

『殺す』

端的にそう言うと、虹はコートのフードを被り、ニマァ、と口を広げた。
以下略



541:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/19(日) 16:31:56.95 ID:PLPcklEN0
『あまり無駄な犠牲を出さないように』

『無駄な犠牲なんてこの世にないわ』

ガゼルに呟くように言い返し、虹はガコン、とエレベーターが止まり、扉が開くと同時に、走り出した。
以下略



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