702:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:45:35.48 ID:oI7jiOK60
「人間狩りの部隊?」
「ああ、定期的に下層に下りてくる愛寡の親衛隊だ。
全員が何かしらの魔法を使う、魔法使いだ。
確認しているだけでも俺達の倍はいる」
703:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:46:15.04 ID:oI7jiOK60
実際のところ、ガゼルにもどうやって愛寡を殺したらいいのか、
そのプランがあるわけではなかった。
彼に出来ることといえば、薬を投与して虹の回復を一刻でも早く進めることだけだ。
704:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:47:16.09 ID:oI7jiOK60
そこでマルディが口を開いた。
「愛寡って奴を叩くんなら、上層に乗り込む必要があるな。
他の奴らは相手にしない。それが勝負事の鉄則だ」
705:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:47:46.53 ID:oI7jiOK60
マルディがそう言ったのには、別のわけがあった。
下層、ここにあたる場所でドクとカランが住んでいる可能性は低い。
昔のサバルカンダではないのだ。
706:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:48:21.11 ID:oI7jiOK60
その途端だった。
入り口の方の男が、大声で叫んだのが聞こえた。
「人間狩りだ!」
707:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:49:04.66 ID:oI7jiOK60
「戦うつもりか?」
ガゼルに聞かれ、マルディは首を振った。
「いいや、捲く。俺と、あんたの能力ならできる」
708:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:49:46.64 ID:oI7jiOK60
*
空調が作動していないのか、第三層は他の層に比べてかなり寒い。
辺りには吹雪が吹き荒れていて、二メートル先も見えないくらいだ。
709:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:50:22.62 ID:oI7jiOK60
舗装されていない道の上を、エアバイクが疾走する。
少しして、ガゼルは声を上げた。
「右前方二時の方角。急激な魔法領域の干渉を確認。
710:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:50:58.42 ID:oI7jiOK60
ガゼルのカメラアイが、熱源感知として、
数十メートル先に固まって歩いている人間たちを捉える。
全員がガゼルのようなエアバイクに乗っている。
711:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:51:35.82 ID:oI7jiOK60
それに唾をつけ、彼はガゼルのハッチを半分あけ、
野球選手のように全力投球した。
およそ人間とは思えないほどの力で数十メートル小石は飛ぶと、
魔法使い達の真正面の地面に突き刺さった。
712:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:52:25.13 ID:oI7jiOK60
瞬間、マルディの体とガゼルが掻き消えた。
数秒もたたずに彼らは、
先ほどマルディが投げた小石の場所に出現していた。
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