83:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/08(水) 17:08:35.35 ID:A45p+aH70
問題は、このガキが彼女の……大男の姉の家族であるという事実であった。
しかしこれは……。
「ルアの黒い一族じゃネェカ……」
「ルア?」
「ルーアー?」
茶化すように二つの声を無視し、彼は爪先で地面をコツリと叩いた。次いで、彼らの周辺に伸びていた影がゼリーのようにひとりでに動き、寄り集まる。それらは円形の泉のような直径二メートルほどの模様を、男を中心に作り出した。
そこに。
本来は床であり、何もないはずのその影の中に、大男の体が足下からずるずると沈み込んでいく。それは彼が掴んでいる爪の体や、しがみついている二匹の動物にも同様なことだった。
979Res/589.08 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。