940:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:52:04.23 ID:NNs5Kzip0
涙に聴こえないように息をつき、
硲は首を振った。
しばらくして涙の寝息が聞こえてきたことを確認して、
硲はベッドから起き上がった。
そして扉を開けて、重苦しい雰囲気が漂っている
トレーラーの食卓側に出る。
「おお、悪かったな硲。起こしちまったか?」
泉にそう聞かれ、硲は彼を無視して、
トレーラーの運転席まで歩いていって、腰を下ろした。
そして無言でギアを操作して、トレーラーを発進させる。
ハンドルを切った彼を見て、
泉は全て聞かれていたことを悟ったのか、
息をついて傍らで泣いている更紗を見た。
「まァ……やっちまったモンは仕方ねぇ。
涙も起きた頃には忘れてるだろ、多分な」
ガタン、ゴトン、と動き出した
トレーラーの中で立ち上がり、泉は言った。
「取り敢えず飯にするか。俺が作るよ」
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