973:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/07(月) 17:54:34.73 ID:hlIYQLnr0
   「お前の負けだ。 
   まぁ……千三十五回も俺を殺せば充分だろう。 
   気は済まねぇだろうが、俺はもう腹一杯だ」 
    
   泉は右手を伸ばして、ギリギリと音を立てて、 
   二十代前半程の青年の頭を握りしめていた。 
    
   青年は泉の腕を掴んで掻きむしっていたが、 
   彼の手は離れようとしなかった。 
    
   「悪かったな硲。予想以上に手こずった。 
   お前らの時間は巻き戻しておいたが、大丈夫か? 無事か?」 
    
   泉に声をかけられ、硲は慌てて、緩慢な動作で起き上がった。 
    
   そして押し殺した声で彼に言う。 
    
   「……一回死んだ……! そのまま死ぬかと思った!」 
    
   「はは、んな訳ねーだろ」 
    
   硲の怒りを、しかし軽く笑い飛ばしてから 
   泉は目の前の青年に向かって言った。 
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