過去ログ - アンリ士郎「汝の欲す所を安価にて為せ！（ｷﾘｯ」一同「へー」
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416:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/03/05(月) 01:05:43.64 ID:WRZWdCQu0
「レン？……この子どうしたのですか？」

「いやさあ、話せば長いんだけどね。要約すると、引き取ってくれる人がいなくて、うちに来たってわけよ。
　ほら、ちょうどうちには暇がある人と３ＤＫのマンションがあったから」

　彼はポロシャツを頭から脱ぎ、ウォッカを一息に飲み干す。

「…………この子の主人はどうしたのです？」

「さあ？聴いてみたらいんじゃない？可愛いじゃないか」

「可愛いですけど、困ります」

　私の方を見もしないで彼はそのまま追加のウイスキーを注文する。

「いいのいいの。元々あいつマンション猫なんだって。
　前は古い屋敷に住んでたっていうから、綺麗になって嬉しいんじゃないの。
　それとねえ、俺のブルックスの長袖のシャツどこだっけ」

「酔いすぎですよ。そこじゃなくて、左の椅子です」

「かけてもらっていい？　仕事場に秋物持って行きたいんだ」

「……はあ」

　私はしぶしぶ返事する。
　ふと見ると、さっきまで植木鉢の陰にいた猫がいなかった。私はきょろきょろと猫の行方を捜す。
　足元ばかり見ていたら、頭の上からくしゅんと猫のくしゃみが聞こえた。彼女はいつの間にか酒棚の上にいた。

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