過去ログ - 鑢七実「ここは………どこかしら?」布束砥信「学園都市よ」
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[sage saga]
2013/02/04(月) 01:24:30.69 ID:ouorT+Ut0
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絹旗の奇策は、二段構えであった。
本命はこの膝蹴り。右ストレートは伏線。最初の手刀は伏線の伏線。敵を欺くためには、まずそのタネを敵に見られないようにしなければならない。
「……なるほど、考えたな絹旗!!」
奇策士とがめのお株を買う奇策を、ここで披露するとは!
とがめは拳を振るった。
「七花!」
「おお! いけぇええ!! 絹旗ぁぁあああ!!」
熱くなって二人は叫ぶ。
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抱き合う様に密着する前に、絹旗は七実の脚の付け根を踏む。そこは足場にした。そのまま階段を上がる様に体を持ち上げ、そしてその勢いそのままに、七実の細い顎に膝蹴りを喰らわせる!
(ここで『菫』が来るのは超解ってました。何百何千も虚刀流当主と手合せして、虚刀流の攻撃パターンは超予測済みです!!)
七実には劣るが、絹旗も怪力の持ち主。拳一振りで人の頭など容易く壊せる。それは脚も同じ。普通の人間がこの膝蹴りを受けた結果など火を見るよりも明らか。それは七実であろうとも変わりない。
勝負が決まった。誰もがそう確信した。
「ゥォォォォォォォォォラァァァアアアアアアアアアアアアアアアアア――――――ッッ!!」
この一撃に、絹旗は全ての命を賭けた。持ち金を全てベットに変え、放り投げてしまった。すでにその身は一文無し。手札はもうない。今思いつく技と技術、何もかもを曝け出し、何もかもを尽くした。
全てはこのバケモノに勝てるように、このバケモノを倒せるように、このバケモノを殴れるように、命をベットにして全てを賭けた。この一瞬の為に。
(よし、これで勝っ――――――――――――――――――――――)
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その時、滝壺理后の脳裏に何かが横切った。
それは背中を駆ける悪寒。胸に掛かる靄。咽喉に引っ掛かる魚の骨のような猜疑心。そして、『能力追跡』と言う学園都市でも稀有な感受性を持つ滝壺の本能による、警鐘。
汗が止まらない。
心が暴走する様な焦燥感が体を駆け巡る。
隣で座っているのフレンダの顔を見る。さっきまでの絶望感に満ちた表情は無い。勝利を確信した顔をしている。
逆の方向を見上げる。
七花ととがめも、同じような顔をしていた。勝利を確信した顔で、絹旗を見ていた。
周りを見てみる。表情が見える限り、ほぼ全ての観客たちは絹旗の勝利を確信していた。誰も疑っていない。
今の絹旗は今までで一番強い状態だ。AIM拡散力場が異様に高レベルに発達している。確かに、勝てる見込みがあるだろう。そして今、絹旗は鑢七実にチェックメイトを打ったのだ。
だが、それは、おかしな光景だと思えた。
滝壷は気付いたのだ。この13万4623人の人間の中で、ただ一人。たった一人だけ。
「きぬはた………だめぇええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!」
なぜなら、――――――鑢七実のAIM拡散力場の波長は全く乱れず、絹旗のそれと別次元の域に達しているのだから。
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