過去ログ - 鑢七実「ここは………どこかしら?」布束砥信「学園都市よ」
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809:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/02/04(月) 02:03:09.17 ID:ouorT+Ut0
七つの奥義を繰り出す七実は、もう容赦はなかった。すべて全力。本気で殺そうとして、全ての技を叩き込んだ。

それを、絹旗は言われたとおり瞬きせずにしかと目に焼き付け、全身で噛み締める様に受け切った。

そして、七の奥義『落花狼藉』―――踵落としの技を喰らって地面に叩きつけられた。

周りには鮮血が飛び散り、その一つが七実の頬を濡らした。

絹旗はピクリとも動かない。

動くものか。何故ならもうすでに絹旗は死んでいるのだから。


ここで、やっとブザーが鳴った。


『勝者、BS!』


BSとは、今回の七実のコードネームであり、リングネーム、チェスの『僧侶(ビショップ)』の略である。

ブザーがなり、試合が終了した。だが誰も一言も言葉を発そうとはしない。本来なら、溢れんばかりの歓声がするのに、まったくそれが無かった。


だが、その中で一つだけ動きがあった。

七実の視界から一人の影が飛び出してくる。風の様に駆けてきたそれは、彼女がよく知る人物だった。


「姉ちゃん」


怒気を孕んだ声が、耳に突き刺さる。


「なあに、七花」

「やり過ぎだ」

「それはさっきも言ったわ。これは二人の承諾の上での行動……。あなたにあれこれ言われる筋合いはないわ」

「そうかよ」


七花は、倒れて動かない絹旗を抱きかかえる。

血で真っ赤になった絹旗の姿は目に余るものだった。

全身の穴と言う穴から血が噴き出してる。目、耳、鼻、口から尻まで、搾り取っているように血が爛れ出ている。

死んでいる…としか思えなかった。

だが、なぜか息をしていて、しかも意識もあった。


「…………しち………か………ざ……ん?」

「ああ、絹旗。よく頑張った。よく頑張った。だからもういい。喋るな。ゆっくり休め。…………ッ!!」」


そこで、ようやく七花は気付いた。


「絹旗…眼が……」

「……………へへ……左目も……右目もやっちゃいました………」


左目は言わずともだが、右目の目の玉が抜け落ちていた。


「ああ…七花さんの、顔……見られない……のが超、残念です…………」

「―――〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!」


七花は泣きたくなった。





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