過去ログ - 鑢七実「ここは………どこかしら?」布束砥信「学園都市よ」
1- 20
811:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/02/04(月) 02:05:42.64 ID:ouorT+Ut0


「七花!!」


ゲートから待ち構える様に、とがめが呼んでいる。心配そうな目だった。同じような目は、後ろの少女二人もしていた。


「絹旗は?!」

「……………」


七花は黙って、絹旗の体を、雪の様に冷たくなった体を渡す。その冷たさを知って、とがめの顔色がさらに青ざめた。

後ろにいた滝壺とフレンダはもっと青ざめて、わぁっと泣き出した。

七花は一つ質問する。


「とがめ。あの医者の所までどれくらいかかる?」


とがめはすぐに答えた。


「ここは最北の第三学区。第七学区からは遠い……。が、安心しろ七花。あのカエル顔の医者に連絡した。もうすぐ着く頃だ!」


そして、とがめは七花にこう命じた。いや、命じようとした。


「七花。すぐに行くぞ。七花も一緒に―――」

「―――………絹旗を頼んだ」


命じかけた上から、強制的に拒まれた。七花は踵を返す。とがめは慌てて、


「待てっ! 七花、何をする気だ!!」


七花は静かに、淡々と答えた。


「………………絹旗を、よろしくな」

「答えになってない!! 七花、七実と戦う気だな!?」

「……………」


七花は答えない。それは肯定を表していた。とがめは急いで絹旗を滝壺に渡し、すぐそばにいた運営呼び付けて怒号を飛ばした。


「おい、医務室に連れて行け!! 」

「それは許可できません。ルール事項10条に違反します」


確か、『戦闘中での怪我、損害、盗難などは運営側は一切責任を取らない』だった筈だ。

とがめは諦めずに交渉する。ここで交渉失敗するものなら、何が奇策士だ。何が尾張幕府家鳴将軍家直轄預奉所軍所総監督だ。ここで無能を働いているのなら、腹を切る。


「責任は取らんでいい。ただ、医務室を使わせろと言いたいのだ!! ここの設備なら、人工呼吸器の一つや二つある筈だろう!? そこを使わせろ! 責任は問わん。金が欲しいならいくらでも払う。だから娘一人の命、助けさせてくれ!!」

「……………………」


運営はしばらく考えた。すると、後ろから黒服を着た別の運営の人間がやってきて、ひそひそと耳打ちしてきた。そして二つ三つ頷くと―――。


「奇策士とがめ様、上から特別に、治療の施しが許可されました。第七学区の『冥土返し』様がもうじきに到着されるそうです。あちらの廊下でお待ちください。準備ができ次第、すぐに案内いたします」

「承知した。感謝する」





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
953Res/1688.34 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice