過去ログ - 鑢七実「ここは………どこかしら?」布束砥信「学園都市よ」
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[sage saga]
2013/02/15(金) 19:07:17.74 ID:WQVl3/1X0
「それで目的は、私が罪悪感を感じて、そのちびっ子の様子を見に来てやった……。と、言ったら?」
「嘘つけ。貴様がそんな丸まった性根をしておらんことは一番この私が知っておる」
「そう。私はそんな人情と仁義に溢れる性格をしていないし、あんたが不満げな顔をして返してくることは、私は知っているわ。―――私の目的は、取引よ。そして、絹旗最愛をここまでぼろ雑巾にしたのは、その取引の為だけ。単純でしょう?」
否定姫は閉じた扇子で絹旗を指す。
「あれ、もう直に体が魂から離れるわ。その前に、何らかの治療をしなければならないわね」
「残念だったな。ここに名医がやってくることになっている。もう直だ。あと一分も掛からんだろうよ。否定姫、貴様の企みは無駄足だ。絹旗と何を交換するかは知らぬが、とっと帰れ」
「そう。それは残念ね」
否定姫は笑う。
それは嘲笑と見れたし、見下しているとも見れたし、馬鹿にしていると見える。
要は、『ああ、やっぱり知らないのか。それだったらしょうがないか』とでも言いたそうな、顔だった。
「残念ね。嗚呼、残念ね。全くもって残念だわ。本当に、本当に残念ね」
と、何度も繰り返して残念がる。繰り返す度、嘲笑の声が大きくしながら。
「何が面白い」
「残念なのは、あんたの馬鹿な頭だからよ」
「なにっ!?」
「確かにここにはもうじき冥土返しが来る。大量の医療道具と最新式設備を携えて、可哀そうな小娘一人助ける為にご老体に鞭を打って、大急ぎでやってくる…………」
「―――――――でも、その未来を否定するわ」
「なに?」
否定姫は楽しそうに笑った。とがめのその奇怪な顔がそんなに面白いのか。
「どういう事だ」
「そのままの意味よ。あの医者は来ない。来ているけど、すぐには来ない。そうね、すぐ傍にいるけど、すぐ傍まで来ているけど、来ない。それが全てよ」
「?」
「なぞなぞをしている訳じゃないわ。とりあえず、私の話を聞かなければ、どの道そこのチビっ子が助からないって話」
「まて、どういうことだ!?」
とがめは考える。―――フレンダにした攻撃。すぐ傍に来ているけど来ない冥土返し。二つとも、どうやってやったのか、なぜ来ないのか、どういう訳なのか、まったくわからない。
そう言えば、この部屋のドアの向こうには人の気配はない。不思議だった。二三分でやってくると言って、運営が出て行ってもう5分以上たっていると言うのに。
「とがめ……」
滝壷がとがめを呼ぶ声だった。
「なんだ」
とがめは振り向く。滝壺は、幽霊を見たのか真っ青になっていた。そしてこう口走る。
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