過去ログ - 鑢七実「ここは………どこかしら?」布束砥信「学園都市よ」
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[sage saga]
2013/02/15(金) 19:23:44.55 ID:WQVl3/1X0
否定姫は扇子を開いて、
「さて、取引と行きましょうか」
「…………聴こうか。何が目的で、私に何を望む? 絹旗は助かるのだろうな」
「ええ、私なら一瞬で治せるし」
すぐに閉じた。ぱちんっと乾いた音が響く。
「―――私の目的は、あんたが持つ『千刀 鎩』を手に入れること」
「……………ッ!!」
とがめの喉が鳴る。
「絹旗最愛の命は助ける。だから千刀を寄越しなさい」
「なぜ、それを欲する。貴様が持っても宝の持ち腐れと言う物だろうに。あれは確かに四季崎記紀が造りし完成形変体刀十二本が一本だが、お前から見るとただの数が多いだけの刀だぞ」
「否定するわ。同じ物を分子レベルで造り上げるって言う技術はまだ学園都市にない。なら、それをどこぞの研究施設に売り込めば、それなりの資金になる。まぁ、それはしないから安心しなさい。私が欲しいのは、戦力よ」
「………趣旨が見えないのだが。よもや貴様、学園都市を乗っ取るつもりか? それは無理だ。左右田右衛門左衛門がいかに七花と同等に強いとしても、千刀を使いこなせても、この街はひっくり返せんよ」
「馬鹿ね。あんたじゃあるまいし、天下を獲ろうとはみじんこ一つとも思っちゃいないわよ。私はただ、手札を揃えたいだけ」
「手札?」
とがめの脳裏に、あの日、否定姫と知り合いかと思われる少年を思い出す。たしか、名前は―――
「上条、だったか。奴はただの高校生だろう? ただ、面倒事に頭を突っ込む、正義感が強いだけの青い子供だったな。何故か、暗部では有名らしいが」
否定姫はハッと笑った。
「ま、あんたがその程度の認識しかないなら別にいいけど………。上条当麻と顔を合わせたのは、『残骸』争奪戦だったっけ?」
「? ああ、そうだが」
「今、あいつの家に居候させてもらってるんだけど……。一昨日なんて、学園都市を危機から守る為だかなんだが言って、外部から来た脅威に立ち向かって、その危機から救ったのよ。
そんなんだから、暗部でも名が通っちゃうのよ。馬鹿ね、踊らされているとなぜ気付かないのかしら。まぁ、根っからそう言う人種なんじゃないかって思うの、私」
愚痴をこぼす様に困った顔をする。
「実はね、その戦いの次の朝、あいつはとんでもない拾いものをしてきたのよ」
「拾いもの? それが貴様の目的に関係があるのか?」
ふふっと笑って、否定姫はこう言った。
「あの馬鹿、敵だった筈の結標淡希を、木原数多率いる猟犬部隊から助ける為に家に連れて帰ってきたのよ」
「―――っ!!」
とがめは今でも覚えている―――。
あの少女が『千刀 鎩』を持った時の凶悪さを。七花にこそ通じなかったものの、超能力者 御坂美琴を完全に封じ込めた程の威力を持つ人間だ。
「なぜ、結標が……」
「知らないわよ。あの男は自分がやりたい事をしているだけ。それがたまたま他人から見て『正義』って写った」
否定姫は目を細めて、
「奴の正義ってのは、ただ守るだけの正義。あんたの様な復讐鬼の正義じゃない。この茶番での『勝った方が正義』って言う正義でもない。ただ純粋に、平和を守るための無垢な正義。全く、面白い奴よ、あの男は。敵を助ける程の太っ腹精神だもの」
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