過去ログ - 鑢七実「ここは………どこかしら?」布束砥信「学園都市よ」
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926:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/04/02(火) 03:15:54.35 ID:2lbVeYvl0
「本当に爆風で飛んでいこうかしら………いえいえ、そうすれば怪我どころじゃ済まないわ」


そうなれば、寮長の48の必殺技コンボを回避したとて意味が無い。

だから走る。走る。走る。走る。

ここは誰もいない。誰もいない公園。暗い、魔女の家の様な不気味さを醸し出すこの空間には、一人の少女が走っていた。

一人で、走っていた。少女が、一人で、たった一人で、急ぎ足をさらに急かしながら、ひたすらに。

暗い暗い闇の中、魔女の家の様な不気味さを醸し出している空間で―――――



一人で、走っている筈だった。



――――刹那、釧路の背後には青い影が現れた。

気配に気づき、後ろを振りけえると、そこには青い『幽霊』がいた。人魂の様な、ぼんやりと青い“何か”が視界の隅を掠める。


「―――――……………ッ!」


びくっ! と肩が震えた。足が自然と立ち止まる。あと2分35秒、あと435mだと言うのに、釧路は足を止めた。止めざる負えなかった。

嫌な予感が頭を横切る。その嫌な予感が、この公園の噂よりも、寮長の恐怖よりも大きかったからだ。これが一番危険なのだと。


「…………だれ?」


闇に問う。

だが、闇は無機質に何も答えない。気配が消えていた。


「……………き、気のせいよね」


そう結論付ける。恐怖故の幻だと。息を大きく吐き、また走り出そうとして足を前に出した。

だがその時、釧路の肩を掴む手が虚空の闇より現れる―――――。


「あ、きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ―――――――ッッッ!!!」


その夜、誰もいない筈の公園から金切り声が聞こえた。


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