過去ログ - 鑢七実「ここは………どこかしら?」布束砥信「学園都市よ」
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[sage saga]
2013/04/02(火) 03:29:07.02 ID:2lbVeYvl0
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ある朝の事である。
一人の美女が……まだ齢十八だと言うのに、肉体的な成熟が人より若干良い所為で、実年齢より七歳ほど上に見られている美女が誰もいない部屋の入り口でつったっていた。
「ふぅ……全く、朝だと言うのに誰も起きてこないと言うのは、少し腑抜けているのではないでしょうか」
がらん……としている部屋……彼女が住んでいる寮の食堂のテーブルに、とりあえず座る。
さて、まずは彼女が何者かであるかを説明しなければならない。
神裂火織
それが彼女の名前である。
先程も言ったが歳は十八。十八である。黒い髪と黒い瞳、雪の如き素肌と女性らしい体型……。ここ、イギリス・ロンドンの男どもが珍しさと、へそ出しTシャツと生片足ジーパンと言う艶っぽさで振り向く。
だが、それよりも目を引くのは彼女が常に腰に差し、今は傍のテーブルに立て掛けている一本の長刀だろう。
―――七天七刀
長身である神裂よりも丈が長い日本刀であり、本来なら日本神道の儀式用の刀である。
―――そして、これが彼女の武器であった。
そう、神裂火織は武人であり、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』所属の魔術師であり、世界で20人もいない聖人の一人である。
聖人とは、神の子キリストと同じ体質を持つ人間の事で、人間よりも神に近い行いが出来る人種である。
まぁ、その説明は後にして……。
次に彼女の状況を書くべきだ。
「―――ああ、そうでした。シェリー=クロムエウェルは特別講師で大学に、レイチェルとオルソラは街の奉仕活動に、出ていって、その他は任務や休暇でしたね」
なるほど、誰もここには来ない筈だ。皆起きてこないのではない。誰もここにいないのだ。
昨日、帰ってくるのが遅かったから気付かなかったのだ。
「誰もいない…という事は、朝食当番である人もいない……。という事は朝食は自分で作らなければなりませんね」
しょうがない。神裂は立ち上がり、やれやれと時計を見上げた。
時計の針は今、午前六時を回った所。朝食をするには聊か早い時間帯だ。
「………今思えば、こんな早い時間帯で起きてくる人間は少ない訳です」
その少ない部類には、自分とシスターたちぐらいだ。いくら魔術師でもキリストの教えの通りに生きている人間は、聖教者以外は稀だ。その代表格にシェリーはいる。
どの道、この建物には誰もいないのは変わりない。
しん、と静まり返った部屋には窓から優しい朝日が照らしこむ。
神裂は部屋の窓を開けた。霧の都と呼ばれるロンドンにしては珍しく、本日は気持ちが良い程の晴天。
「自分の分の朝食ぐらいは作りましょうか」
神裂はキッチンへと移動した。冷蔵庫を開ける。しかし中にあるのは飲み物と調味料のみ。ネズミだって呆れる程の貧しさだった。
「………見事に何もありませんね」
野菜がない。卵が無い。肉も無ければ魚も無い。味噌なんてある訳がない。味噌は昨日使い切った。
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