過去ログ - 鑢七実「ここは………どこかしら?」布束砥信「学園都市よ」
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936:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/04/02(火) 03:35:18.81 ID:2lbVeYvl0

「さて、一つ、訊きたい事があるのでござるが………」


男の姿はやはり、女の様なものだった。

服装は男物で統一されているのだが、彼の容姿は女と見違えるほどに美しかった。女は勿論、男も心を撃ち抜かれそうな美貌が、こちらを見ている。

なぜか心臓の鼓動が強くなった。

服装は、日本の江戸時代の着物を模した格好で、彼によく似あっていた。

彼を象徴するカラーは白。白髪と白い肌が美しく、着物はほぼ全身白。青と黒の帯と茶色の家地と花の形をした髪飾りと首輪をしていた。

江戸時代の人々からすると傾奇者と呼ばれそうだが、そこはそこ。大層に似合っているのは間違いないし、相当女子から好かされていたのだろう。

実際、こうして自分が見ていても惚れ惚れする程の美貌なのだから。


「…………………」

「もし……もし……」

「…………………」

「もし…もし……。……………もしっ」

「…………………」

「もし!」

「あ、あ、はい!」

「何を呆けておられるのでござるか。拙者、貴女様に一つ聞きたい事があるでござる」

「はい、何でしょうか」

「その前に、いい加減その刀を下してもらえないだろうか。そう身構えられては、気が滅入ってしまう。こっちは全くの丸腰名である故」

「あ、ああ、すいません」


神裂はすぐに七天七刀をテーブルに立て掛けた。


「ありがとうございます。まず、いきなり現れ、仰々しい態度をとった事に感謝したい」

「いえ、敵意のない人間に刃を向ける方が無礼と言うもの。あなたにその気がない事がわかったのだから、争う理由がありません。ですが、流石にいきなり爆発と共に現れると言うのにはビックリしました」

「これは失敬。なにぶん、拙者にも何が何やらわからぬ状況にて。――――さて、やっと質問が出来るのでござるが、よろしいか」

「はい」


その返事に安心した男は、同時に非常に困った顔をしながら、こう訊いてきた。


「ここはどこでござるか……」

「必要悪の教会女子寮ですが……」


これが、神裂火織がとある異世界の剣豪との出会いである。

そう、その男こそ、鑢七花最大の好敵手の一人にして、最優の剣士。鑢七花と奇策士とがめに敗れるまで、日本最強の名を思う存分轟かせた美貌の剣士。

その名こそ―――――錆白兵である。



錆白兵「ここはどこでござるか……」神裂火織「必要悪の教会女子寮ですが……」


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