55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/02/19(日) 21:43:40.15 ID:XKG2W5eFo
一方通行「ふァ……クソ、まだ眠ィな……」
しかしどうにも先程から眠気が晴れない。バスの走る振動が心地よい為だろうか。
一方通行は大きく欠伸をしつつ緩慢な動作でリクライニングシートに身を預け、そのまま目を閉じる。
睡魔は直ぐに忍び寄って来た。徐々に意識が閉ざされていき、思考もほとんど停止する。
僅かに伝わってくるバスの振動すら心地よい。嗚呼、これ程心地よく眠りに落ちるのは初めてかもしれない。
バスで眠るのがこんなに気持ちいいだなんて――
一方通行「……待てよ」
今にも夢の世界に没しそうだった一方通行は、しかし突如強烈な違和感を覚え、強引にその目をこじ開ける。
バス。そうバスだ、バスに乗っている。このバスは一体何処に向かっている?
いや、その前に……
一方通行(俺はいつバスに乗った?)
甘い痺れも吹き飛び、急速に彼の頭は冷めていく。そうだ、バスに乗った覚えがない。
そもそも彼は普段バスを利用しないのだ。遠出するなら能力を使ったほうがずっと早いし、
獲物を物色するなら歩いた方が遥かに効率が良い。彼にバスを利用する理由は存在しない。
そして外敵の多い彼は決して公共の場で無様に眠りこける事など無いはずなのだ。
如何に無意識で働く反射の膜があるとは言え、彼は己の能力が万能である等とは思っていない。
にも関わらず、彼は今の今まで暢気に寝ていたのである。乗った覚えも無いバスの中で。
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