過去ログ - おっさんがハッピーシンセサイザーを踊るまでに至る長い経緯(勝手な妄想)
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2012/02/20(月) 19:38:46.34 ID:tqalGdHs0
「ただいまー」
「あ、おじさん。今日は早いですね、おかえりなさい」
ぱたぱたと駆け寄ってきた恭子が出迎えてくれた。
そして続いて本日の主役であろう、恭子より少し背の高い女の子が姿を見せた。
すると恭子は彼女に手の平を向け
「あの、この子が昨日言ってた、友達の―」
「始めまして!私、キョウの親友で相葉 都華子(あいば とかこ)って言います。よろしくです。とっちゃんって呼んでくださいね」
おお!元気だ。すこぶる元気な女の子だ。これは俺も元気に答えねばなるまい。
「こちらこそよろしく。とっつぁん。渡辺 純一です。お兄ちゃんって呼んでくださいね」
「オジサマ、とっちゃん!とっつぁんだと、なんか男気溢れた親方っぽくてやだなぁ」
この子は実にフランクだ。いいね。
ってか、お兄ちゃんはスルーかよ!
でもこんなやりとりに恭子がちょっと笑ったような気がしてそれがとても嬉しかった。
「ムリムリ、もう俺の中でとっつぁんイメージが完全定着しちゃったから」
えー、と抗議の声をだす彼女の仕草に俺は微笑まずにはいられなかった。
きっとこの子はいい子だ。
「あの、おじさん。こんなところに立ってるのもなんですから、中に入ってください」
恭子に促され、着替える為に部屋に向かう途中、
「そーだ、オジサマ!今日期末テストの結果が返ってきたんだけど、キョウ、クラスで一番だったんだよ!学年でも3位、すごいよねー」
振り向いた俺は、ちょ、ちょっと、とっちゃん、と照れるように静止する恭子を見る。
頭が良い事は知っていたが、まさかあの高校でクラス一なんてこいつはよほどだな。
学校レベルでされ俺の通った高校より2,3上なはず。
「・・・すごいな、恭子」
たまたまです。と胸の前で手を振る恭子。
俺にとっては今のこの状況は実に奇跡だといえる。
遠慮がちな恭子へのご褒美。多少口実になってしまうが、このままだと二人は恭子の部屋に戻ってしまい、彼女の友達と接する時間は限り無く少なくなってしまう。
早上がりの立役者である直樹には今度何か奢ってやらねばなるまい。
「褒美じゃ!ご褒美をやる・・・そうだ、肉だな。肉を食いに行くぞ!とっつぁん、おめぇも食ってけ!」
恭子がそんな、私、と遠慮仕掛けるも、じゅるり、と、とてもいい顔をしている彼女を見て何も言えなくなる。
「えへへ、オジサマ。ゴチになります」
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