過去ログ - おっさんがハッピーシンセサイザーを踊るまでに至る長い経緯(勝手な妄想)
↓
1-
覧
板
20
2
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/20(月) 17:55:59.82 ID:tqalGdHs0
半年前俺、渡辺 純一(わたなべ じゅんいち)の親友であり、師匠とも呼べる人が死んだ。
居眠りトラックに轢かれて、夫婦揃って帰らぬ人となった。
師匠は俺が幼い頃から色々世話を焼いてくれた人だ。お互い片親で家が近かったこともあり、
いつも面倒を見てくれるその人を俺は兄のように慕っていた。
師匠が家庭を持つようになってからもよくお邪魔させてもらっていたし、
そのつど美人の奥さんは俺に豪華な手料理を振舞ってくれた。
そして一人娘、神海 恭子(こうみ きょうこ)仲の良い円満な3人家族の中で唯一残された16歳の一人の女の子。
今から始まるのは俺とその娘との物語。
既に親を亡くしている師匠達に信頼できる身内はいなかった。
親の葬式が終えた頃から「俺の親戚どもは腐っている」と何度か愚痴を溢していた師匠は、
自分の身に何かあったら恭子の事を気に掛けてやってくれと溢した愚痴を誤魔化すように言っていたのを覚えている。
恭子は師匠達の葬儀のあと厄介者のように親戚達の間で押し付け合いになりながらも、
二人の残した僅かな遺産目当ての叔母の家で預かる事となった。
師匠の愚痴で恭子の事が気がかりだった俺は、
半年が過ぎた今なら少しは落ち着いているだろうと様子を見に行く事にした。
結論から言うなれば、悲惨だった。
本当に腐っている大人達だ。
家に部屋が余っているのにも関わらず恭子の部屋は遺産の一部で建てられた庭のプレハブ。
恭子はいつもそこにいて家に入るのは食事を取りにいく時だけ、“食べ”に行く時では無く。
訪問した時、叔母である人に挨拶がてら恭子の様子を聞いたのだが、
「最近顔も見てないから知らない」そんな言葉が返ってくるだけで、
まるで他人の扱い。俺がそれに対し怒りが感じなかったのは、
恭子の精神状態を想像して真っ青になっていたからである。
俺は急ぎプレハブに向かう。早く恭子を確認したかった。
ノックも忘れ汗で滑るドアノブをどうにか握り扉を開ける。
「・・・・・・・おじさん」
小さな机と衣類棚しかない部屋の真ん中にぽつんと座っている女の子。
感じられない表情とまるで死んでしまっている瞳。
無表情のままおじさんと呼んだ恭子に返した言葉はきっと無意識で発したのだと思う。
「俺のところに来ないか?」
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
107Res/102.71 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - おっさんがハッピーシンセサイザーを踊るまでに至る長い経緯(勝手な妄想) -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1329727900/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice